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renga: a chain of poems
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歌仙「陶枕や」
歌仙両吟をはじめます。
風魚さんから、7月10日、以下3つの発句候補をいただきました。

微熱して泰山木の花を踏む 
鍵束を鳴らしつつ入る梅雨の闇
陶枕や黒髪三千尋の海

このうち

陶枕や黒髪三千尋の海

を発句にいただき、歌仙「陶枕や」の始まりとなりました。

なお、残るに2句は三つ物といたしました。

*

微熱して泰山木の花を踏む     風魚
 行く雲白く浮遊する初夏     鰻鱈
草原を西から東へパオ曳いて     〃

      *

鍵束を鳴らしつつ入る梅雨の闇   風魚
 つるべ届かぬ水無月の井戸    鰻鱈
田植する隣の田では稲刈りて     〃


      *

「陶枕や」
歌仙両吟
起首 2005.7.10
満尾 2005.10.10
 
風魚
鰻鱈


陶枕や黒髪三千尋の海       風魚
 睡蓮の午後白の欲動       鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて   魚
 驢馬で供する糸杉の道       鱈
 

ドーミエ、パリ・オルセー美術館

細巻きを吹かせば月のけぶたげに   魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ     鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る  鱈
 奥の座敷は散らかしたまま     魚
三峡や埴生の宿は水の底       鱈
 せきこむ度に星が三つ四つ     魚
暁に爆弾巻いて別れたり       鱈
 半分残すカップヌードル      魚
兼好の欠けた茶碗に月凍る      鱈
 じゃぽにすむとは島に棲む亀    魚
 
hokusai
葛飾北斎

見渡せば隠岐の波濤の十九年     鱈
 僧帽筋のもっこりとして      魚
花の下むすめ男とジャカランダ    鱈
 点になるまで睨む風船       魚
ナオ
春雨に足止めを食う曲馬団      魚
 いくさに暮れた少年の日々     鱈
極小と極大に向く数列に       魚
 風は飄飄地は渺渺と        鱈
太棹を抱えて眠る尼の夢       魚
 琵琶さへ重き公達を恋ひ      鱈
ドクターも了えて幼い左書き     魚
 コンピューターに結論を聞く    鱈
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸      魚


西域南道のオアシスで

 どけよ二輪車奔馳お通り      鱈
青白き月に濡れたる犬公方      魚
 すすき生けたる茶室人なく     鱈
ナウ
褒めあげて誰も貰はぬ隼人瓜     魚
 やがて食い飽くきりたんぽ鍋    鱈
ユンボ駆る男は訛隠さずに      魚
 野天風呂からふるさとの山     鱈
泣き虫のまなうらに在る花ふぶき   魚


春の定番

 箱庭の春いともおだやか      鱈










 
   *   *   *

Kasen: Oh Porcelain Pillow

Fugyo has presented three stanzas for a kasen hokku on 10 July 2005.

petals of magnolia
I accidentally stepped on them
a bit feverish (fugyo)

jangling a bunch of keys
I walked into the dark night
of the rainy season (f)

oh porcelain pillow
black is the hair, darkness of a sea
of three thousand fathoms    (f)

Among the three stanzas above, Mandala picked up

oh porcelain pillow
black is the hair, darkness of a sea
of three thousand fathoms

as the hokku for the kasen “oh porcelain pillow,” while developing the other two into the mitsumono, "three pieces.”

     *

petals of magnolia
I accidentally stepped on them
a bit feverish (fugyo)

 clouds go in white
 early summer floats  (mandala)

from east to west
roving with a ger tent
in a steppe (m)

     *

jangling a bunch of keys
I walked into the dark night
of the rainy season (fugyo)
 
 a bucket doesn’t touch in June
 the water of a draw well (mandala)

harvesting rice
as they plant seedlings
in the neighboring field (m)

     *   *
kasen oh porcelain pillow
10 July -10 October, 2005
by Fugyo and Mandala

oh porcelain pillow
black is the hair, darkness of a sea
of three thousand fathoms    (fugyo)

 an afternoon of water lilies
 the Trieb in white   (mandala)

loading and trailing
a bicycle cart
with rare books, lucky finds   (f)

 along the cypress road
 riding a donkey behind my master    (m)

you puff on your cigarillo
then the moon
seems disturbed    (f)

 scattered clouds move fast
 autumn’s stormiest period    (m)

making cuts in a pumpkin
I wonder if the boy next door
is Jack O Lantern himself    (m)

 the inner tatami room
 is left alone in a mess    (f)

Three Gorges
homes, sweet homes
are submerged under water    (m)

 every cough makes me
 see three, four stars    (f)

at dawn
she wore an explosive belt
last time I saw her    (m)

 leaving unfinished
 half of ‘Cup Noodles’   (f)

the moon freezes up
at Kenko’s teabowl
of the chipped rim         (m)

 what you call le japonisme
 is a tortoise inhabiting an island (f)

for nineteen years
nothing but the billows of Oki
as far as the eye could see   (m)

 how thick and round
 the guy’s trapezius muscles   (f)

beneath the blossom stands
my daughter side by side
with a lad, jacaranda!    (m)

 fixing my glare on the balloon
 till it was a mere dot   (f)

kept in by a spring drizzle
where it is
a circus troupe    (f)

 their youthhood has gone
 in battlefields  (m)

for a sequence
oriented to a minimum
and a maximum  (f)

 so elusive is the wind
 so boundless is the land   (m)

a nun dreams a dream
embracing
a thick-bodied samisen  (f)

 a noble scion who felt a lute heavy
 she’s in love with him  (m)
   
clumsy left-hand writing
how a childish
is that doctorate holder  (f)

 cordially asking a computer
 for the conclusion (m)

tens of thousand yuan income households
now they’re old timers and are no longer
much to look at (f)

 get out of the way cyclists
 for a Mercedes-Benz (m)

getting soaked
in the pale moonlight
the Inu-Kubo   (f)
  (Inu-Kubo, the nickname of the 5th Tokugawa Shogun Tsunayoshi)

 an eulalia is arranged
 in a vacant tea hut  (m)

everybody praises up
but all turn down
chayotes (f)

 they’ll be surfeited after a while
 with a kiritampo pot (m)
 (kiritampo: mashed rice pressed on a cedar skewer and toasted)

operating a power shovel
a guy speaks plain
in his provincial accent (f)

 a view from an open-air onsen
 mountains of my birthplace (m)

an image fixed and called up
in the memory of a cryboy
a storm of falling cherry blossoms (f)

 how mild is a spring
 in a miniature garden (m)












 

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謝辞

風魚さま。
実に楽しい3ヵ月でした。加えて毎回連句の呼吸といったものをお教えいただき、学ぶところの多い歌仙1巻でした。また近いうちにどこかでとぐろを巻ける日を心待ちにしております。
鰻鱈
| 鰻鱈 | 2005/10/12 12:43 AM |

 挙句が切れてますので再掲します。

ユンボ駆る男は訛隠さずに       魚
 野天風呂からふるさとの山      鱈
泣き虫のまなうらに在る花ふぶき    魚
 箱庭の春いともおだやか       鱈

 以上です。ことほぎの歌もまた、憂鬱な年頃ににやりとさせられる効用、こちらも有り難うございました。

| 風魚 | 2005/10/11 12:28 PM |

 ☆祝 歌仙「陶枕や」満尾 ☆

ついに満尾致しましたね。同行二人の俳諧の旅、そして途中のお話も楽しませて頂きました。バースデーの満尾も粋なおはからい、有り難うございました。又ご縁がありましたらご一緒致しましょう。

歌仙「陶枕や」
            起首 2005.7.10
            満尾 2005.10.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈
 奥の座敷は散らかしたまま      魚
三峡や埴生の宿は水の底        鱈
 せきこむ度に星が三つ四つ      魚
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈
 半分残すカップヌードル       魚
兼好の欠けた茶碗に月凍る       鱈
 じゃぽにすむとは島に棲む亀     魚
見渡せば隠岐の波濤の十九年      鱈
 僧帽筋のもっこりとして       魚
花の下むすめ男とジャカランダ     鱈
 点になるまで睨む風船        魚
ナオ
春雨に足止めを食う曲馬団       同
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚
 風は飄飄地は渺渺と         鱈
太棹を抱えて眠る尼の夢        魚
 琵琶さへ重き公達を恋ひ       鱈
ドクターも了えて幼い左書き      魚
 コンピューターに結論を聞く     鱈
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸     
| 風魚 | 2005/10/11 12:22 PM |
ナウ
褒めあげて誰も貰はぬ隼人瓜      魚
 やがて食い飽くきりたんぽ鍋     鱈
ユンボ駆る男は訛隠さずに       魚
 野天風呂からふるさとの山      鱈
泣き虫のまなうらに在る花ふぶき    魚


挙句候補は以下の3つです。よろしくお願いします。

記憶の渕の慈顔おぼろに        鱈
遠い潮騒はこぶ春風          〃
箱庭の春いともおだやか        〃

おセンチ路線でおしてみました。

さて、風魚さま。
お誕生日おめでとうございます。お祝い代わりの狂歌1首捧げます。

ひとつ取りふたつ重ねてはや五十路
しぐれ酒酌む官歴の午後 (鰻鱈)


| 鰻鱈 | 2005/10/10 12:15 PM |

前のメッセージが長すぎて切れましたので再掲します。

 歌仙「陶枕や」ナウ5

ユンボ駆る男は訛隠さずに       魚
 野天風呂からふるさとの山      鱈

   付

泣き虫のまなうらに在る花ふぶき    魚
点字にも香のうつる花便り       〃
押せば寄る引けば離るる花筏      〃

○「酒」も未出の素材でしたが、打越に「きりたんぽ鍋」がありますので、ここはもう諦めた方がよさそうですね。「野天風呂」句、いいトスを上げて貰ったような感じです。

とうとう挙句まで来てしまいました。長い楽しい旅をしてきたようです。どうぞおあとを宜敷お願いします。

今日10.10は私のバースデーです(^_^)。
  
| 風魚 | 2005/10/10 8:01 AM |
歌仙「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈
 奥の座敷は散らかしたまま      魚
三峡や埴生の宿は水の底        鱈
 せきこむ度に星が三つ四つ      魚
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈
 半分残すカップヌードル       魚
兼好の欠けた茶碗に月凍る       鱈
 じゃぽにすむとは島に棲む亀     魚
見渡せば隠岐の波濤の十九年      鱈
 僧帽筋のもっこりとして       魚
花の下むすめ男とジャカランダ     鱈
 点になるまで睨む風船        魚
ナオ
春雨に足止めを食う曲馬団       同
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚
 風は飄飄地は渺渺と         鱈
太棹を抱えて眠る尼の夢        魚
 琵琶さへ重き公達を恋ひ       鱈
ドクターも了えて幼い左書き      魚
 コンピューターに結論を聞く     鱈
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸       魚
 どけよ二輪車奔馳お通り       鱈
青白き月に濡れたる犬公方       魚
 すすき生けたる茶室人なく      鱈
ナウ
褒めあげて誰も貰はぬ隼人瓜      魚
 やがて食い飽くきりたんぽ鍋     鱈
ユンボ駆る男は訛隠さずに       魚
 野天風呂からふる
| 風魚 | 2005/10/10 7:52 AM |
ナウ
褒めあげて誰も貰はぬ隼人瓜      魚
 やがて食い飽くきりたんぽ鍋     鱈
ユンボ駆る男は訛隠さずに       魚


旅立ちの朝茶碗酒酌む         鱈
からっぽねやみたまに昼酒       〃
野天風呂からふるさとの山       〃

●からっぽねやむ(空骨病む)=秋田弁で、ここが痛い、あそこが痛いといっては、仕事を休んだりサボったりすること。「からっぽに」からの連想です。

| 鰻鱈 | 2005/10/09 3:18 PM |
「残侠伝書き上げてよりからっぽに」は打越に「褒めあげて」がありましたので、「残侠伝読み終へてよりからっぽに」とさせてください。
   
| 風魚 | 2005/10/09 7:15 AM |
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸       魚
 どけよ二輪車奔馳お通り       鱈
青白き月に濡れたる犬公方       魚
 すすき生けたる茶室人なく      鱈
ナウ
褒めあげて誰も貰はぬ隼人瓜      魚
 やがて食い飽くきりたんぽ鍋     鱈

    付

ユンボ駆る男は訛隠さずに       魚
死語となる「もったいない」を連発し  〃
残侠伝書き上げてよりからっぽに    〃

「たる」に「たる」ですね。私は「人」に「人」で。これを業界用語で“すりつけ返し”と申します(ウソ・^_^)。
  
| 風魚 | 2005/10/09 7:07 AM |
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸       魚
 どけよ二輪車奔馳お通り       鱈
青白き月に濡れたる犬公方       魚
 すすき生けたる茶室人なく      鱈
褒めあげて誰も貰はぬ隼人瓜      魚


やがて食い飽くきりたんぽ鍋      鱈
翁媼が月夜茸煮る           〃
人末枯れて少子化の国         〃



●「褒めあげて誰も貰はぬ隼人瓜」のその空虚感がたまりませんねえ。そこで、いまひとつ秋でがんばってみました。ところで、とりあげていただいた「すすき生けたる」は「たる・たる」で対句のジョーダン気分をねらいました。しかし、並んでみると、ちょっとくどいタルタルソースですね。失敗。
| 鰻鱈 | 2005/10/08 10:10 PM |
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸       魚
 どけよ二輪車ベンツお通り      鱈
青白き月に濡れたる犬公方       魚
 すすき生けたる茶室人なく      鱈
ナウ
     付

千代尼忌の句相撲となる賑やかさ    悟
褒めあげて誰も貰はぬ隼人瓜      〃
ピーナツの殻点々とはばかりへ     〃

○「黄砂」ですが、中国の広大な背景におくと歳時記の規定もかすんで見えてくるのが不思議です。「ベンツ」は「奔馳」と書くのですか。前句にはこの語がぴったりですね。 
| 風魚 | 2005/10/08 7:58 AM |
風魚様
名残の裏に移りますが、勝手ながら挙句をいただきたく、このままの順でお進み願えますでしょうか?

| 鰻鱈 | 2005/10/02 5:28 PM |
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸       魚
 どけよ二輪車ベンツお通り      鱈
青白き月に濡れたる犬公方       魚


秋籟低く渡る武蔵野          鱈
すすき生けたる茶室人なく       〃
黄葉の巴里で糞拾い行く        〃


●ベンツはカタカナに問題があり、中国語表記の「奔馳」と変更します。「黄沙」は広辞苑によると季語となる黄砂現象のほか、黄土、砂漠をも意味するようです。「黄沙の底で油田目覚める」は発句「陶枕や黒髪三千尋の海」との連想をねらったものでした。

| 鰻鱈 | 2005/10/02 2:58 PM |

 鰻鱈さん、長旅、お疲れ様でした。ご無事のご帰還、安堵致しております。ゆっくりお話伺えるのが楽しみです。

 コンピューターに結論を聞く     鱈
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸       魚
 どけよ二輪車ベンツお通り      鱈

   付

青白き月に濡れたる犬公方       魚
満月の夜はなまぐさき鉄火場に     〃
政局を眺める月は天頂に        〃

「黄沙」は春の季語になってしまうでしょうね。
 
| 風魚 | 2005/09/30 10:36 AM |
文字超過で最後の部分が切れてしまいましたので、追送します。

ナオ
春雨に足止めを食う曲馬団       同
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚
 風は飄飄地は渺渺と         鱈
太棹を抱えて眠る尼の夢        魚
 琵琶さへ重き公達を恋ひ       鱈
ドクターも了えて幼い左書き      魚
 コンピューターに結論を聞く     鱈
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸       魚

付け
黄沙の底で油田目覚める        鱈
どけよ二輪車ベンツお通り       〃
人民格差社会万歳           〃


| 鰻鱈 | 2005/09/27 3:45 PM |
3週間ほどかけてタクラマカン砂漠の周囲をオアシス都市沿いに一周する旅をしてきました。タクラマカン沙漠から石油と天然ガスが出たことで、タクラマカンを真っ二つにして天山南路と西域南道を結ぶ沙漠公路も完成していました。その周辺のオアシスはオイル・ブームで建設ラッシュでした。漢族がウイグルの地になだれ込んできており、2000余年にわたる攻防の地・西域は、目下のところ、これまでに例のない漢族の支配強化となっておりました。というわけで、

吹けば飛ぶ今は昔の万元戸       魚

をいただくことにしました。


歌仙「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈
 奥の座敷は散らかしたまま      魚
三峡や埴生の宿は水の底        鱈
 せきこむ度に星が三つ四つ      魚
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈
 半分残すカップヌードル       魚
兼好の欠けた茶碗に月凍る       鱈
 じゃぽにすむとは島に棲む亀     魚
見渡せば隠岐の波濤の十九年      鱈
 僧帽筋のもっこりとして       魚
花の下むすめ男とジャカランダ     鱈
 点になるまで睨む風船        魚
ナオ
春雨に足止めを食う曲馬団       同
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚
 風は飄飄地は渺渺と         鱈
太棹を抱えて眠る尼の夢        魚
| 鰻鱈 | 2005/09/27 3:41 PM |
歌仙「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈
 奥の座敷は散らかしたまま      魚
三峡や埴生の宿は水の底        鱈
 せきこむ度に星が三つ四つ      魚
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈
 半分残すカップヌードル       魚
兼好の欠けた茶碗に月凍る       鱈
 じゃぽにすむとは島に棲む亀     魚
見渡せば隠岐の波濤の十九年      鱈
 僧帽筋のもっこりとして       魚
花の下むすめ男とジャカランダ     鱈
 点になるまで睨む風船        魚
ナオ
春雨に足止めを食う曲馬団       同
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚
 風は飄飄地は渺渺と         鱈
太棹を抱えて眠る尼の夢        魚
 琵琶さへ重き公達を恋ひ       鱈
ドクターも了えて幼い左書き      魚
 コンピューターに結論を聞く     鱈

   付

この度も雪隠詰めに泣かされて     魚
吹けば飛ぶ今は昔の万元戸       〃
地震来る予感に白き竹煮草       〃

たっぷりのご旅行ですね。折角ですから、付の宿題持って行かれたら如何でしょうか(^_^)。どうぞ気を付けていらして下さい。
| 風魚 | 2005/09/05 12:31 AM |
春雨に足止めを食う曲馬団       魚
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚
 風は飄飄地は渺渺と         鱈
太棹を抱えて眠る尼の夢        魚
 琵琶さへ重き公達を恋ひ       鱈
ドクターも了えて幼い左書き      魚

付け
王家の谷の熱風に斃る         鱈
ダ・ヴィンチ・コード解読に汗     〃
コンピューターに結論を聞く      〃


●荘子の夢は蝶、邯鄲の夢は人の世、春の夜の夢は平家物語、夏草の夢は芭蕉で、「人生いろいろ」夢もいろいろで、夢−蝶に、わたしはダブリを感じません。半面、「眠る尼」と「遊ぶ黒揚羽」が重複するイメージになる感じがいたします。付句には夏の短句2つと雑1を作ってみました。よろしくお願いします。旅行にでかけますので、月末までしばらく失礼します。(鰻鱈)
| 鰻鱈 | 2005/09/04 2:28 PM |

春雨に足止めを食う曲馬団       魚
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚
 風は飄飄地は渺渺と         鱈
太棹を抱えて眠る尼の夢        魚
 琵琶さへ重き公達を恋ひ       鱈

   付

湖のかなたに遊ぶ黒揚羽        魚
ドクターも了えて幼い左書き      〃
コミックですべてまかなう引籠り    〃

○蝶に夢は観音開きになるでしょうか。荘子が仲立ちして。何をもって戻るとするかは伝統的な分類に加えて連想のメカニズムを吟味してみるのも面白いテーマかと思います。寺田寅彦にフロイディズムを援用したこれへの言及もありましたが、不徹底だった印象があります(寺田寅彦全集代12巻 岩波書店)。

「傾ぎ癖」は「かしぎ」です。暉峻先生にそんな独吟があること知りませんでした。くのいち連句会では持て余しましたか(呵々)。連句は連衆に恵まれなければそれまで。芭蕉になれなかった一茶のことを今度の信州の旅で思うことでした。
| 風魚 | 2005/09/04 7:28 AM |
春雨に足止めを食う曲馬団       魚
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚
 風は飄飄地は渺渺と         鱈
太棹を抱えて眠る尼の夢        魚

●口上
初日、「手が来れば傾ぎ癖ある博奕打ち 風は飄飄地は渺渺と」と、木枯紋次郎風の物語も魅力的だし、「太棹を抱えて眠る尼の夢 風は飄飄地は渺渺と」と、うき世の果ての小町風もまたすてがたく、しばし決めかねておりました。(ところで、「傾ぎ癖」はどう読みますか)

2日目、「太棹」でふと記憶の回路がつながりましてネ。  

陰の白毛をなげくこの頃
  二まわりほどは違うた幼な妻
   因縁づくじゃと太棹をひく
        (暉峻康隆 戯作「雪よりも」独吟歌仙から。
小学館『日本古典文学全集 36』月報 昭和49年)

そうですか。30年前の、あの幼な妻がいまは尼さんになっていたのですか。


ハナの白野の思ひ死みよ  鰻鱈
琵琶さへ重き公達を恋ひ  〃
叩くも弾くも津軽恋唄   〃
| 鰻鱈 | 2005/08/29 8:47 PM |
春雨に足止めを食う曲馬団       魚
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚
 風は飄飄地は渺渺と         鱈

   付 

手が来れば傾ぎ癖ある博奕打ち     魚
太棹を抱えて眠る尼の夢        〃
車座に可盃というものも        〃

○よろしくお捌き下さい。明日より3日ほど信州に行ってきます。
| 風魚 | 2005/08/27 10:08 PM |
「サハラ砂漠へ通り雨降る」は、

ギガのあれこれナノにつめこむ

と直します。春雨があがったばかりのところでした。

| 鰻鱈 | 2005/08/20 1:52 PM |
春雨に足止めを食う曲馬団       魚
 いくさに暮れた少年の日々      鱈
極小と極大に向く数列に        魚



サハラ砂漠へ通り雨ふる        鱈
陰陽一対乾坤一擲           〃
風は飄飄地は渺渺と          〃
| 鰻鱈 | 2005/08/20 11:09 AM |
歌仙「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈
 奥の座敷は散らかしたまま      魚
三峡や埴生の宿は水の底        鱈
 せきこむ度に星が三つ四つ      魚
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈
 半分残すカップヌードル       魚
兼好の欠けた茶碗に月凍る       鱈
 じゃぽにすむとは島に棲む亀     魚
見渡せば隠岐の波濤の十九年      鱈
 僧帽筋のもっこりとして       魚
花の下むすめ男とジャカランダ     鱈
 点になるまで睨む風船        魚
ナオ
春雨に足止めを食う曲馬団       同
 いくさに暮れた少年の日々      鱈

   付

極小と極大に向く数列に        魚
玉虫の光の中に溺れいて        〃
左手の知らない罪を右の手に      〃

 よろしくお捌きくだささい。 

○拙句盆の句三句のうち「茄子の馬」は「茄子の牛」と直します。茄子は馬にはなれませんね。貴句パスカルに思案橋は面白い配合です。

| 風魚 | 2005/08/18 8:09 AM |
愛宕の坂でたまに曲乗り   鱈

は、「曲馬団」「曲乗り」「曲垣平九郎」と曲の3段重ねとなり、あまりに曲がないので、

たまに愛宕で登る石段  鱈

と訂正します。
| 鰻鱈 | 2005/08/16 12:46 AM |
お盆の返礼

梅干に秋茄子の紺七分粥
高山の円空仏に秋の風
パスカルの考える葦思案橋

この時期は広島、長崎の平和記念日につづいて盂蘭盆会があり、暗い流れに燈篭流しや精霊流しのろうそくの光の群れがイメージされます。1960年にパリで死んだRichard Wrightの遺品の原稿の中から娘のJuliaが見つけて、ごれこそが父の遺品、といったというhaiku、

Burning out its time,
And timing its own burning,
One lonely candle.

は、季語はなくてもお盆にぴったり。

さて、
点になるまで睨む風船
春雨に足止めを食う曲馬団


 愛宕の坂でたまに曲乗り   鱈
 いくさに暮れた少年の日々  〃
 六十年の平和が疲労     〃

| 鰻鱈 | 2005/08/15 11:29 PM |
歌仙「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈
 奥の座敷は散らかしたまま      魚
三峡や埴生の宿は水の底        鱈
 せきこむ度に星が三つ四つ      魚
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈
 半分残すカップヌードル       魚
兼好の欠けた茶碗に月凍る       鱈
 じゃぽにすむとは島に棲む亀     魚
見渡せば隠岐の波濤の十九年      鱈
 僧帽筋のもっこりとして       魚
花の下むすめ男とジャカランダ     鱈
 点になるまで睨む風船        魚
ナオ
   付

春雨に足止めを食う曲馬団       同
耕しの畝の先には何がある       〃
春愁の今年は別れ多きこと       〃

○よろしくお捌き下さい。

 お盆にちなんで三句作ってみました。

  白雨に向きの変はりし茄子の馬
  巨漢なる仏も乗るゾ瓜の馬
  割り箸は脚にはあらず瓜の馬

| 風魚 | 2005/08/14 8:01 PM |
風魚さま

ジャカランダはオーストラリア在住のころ見ました。住んでいたメルボルン周辺では晩春から初夏にかけて咲きました。南アフリカ共和国首都のプレトリアのものも見事だそうです。10月ごろに咲きそろうそうです。あいにく、わたしが訪れたのは9月はじめで、まだ咲いていませんでした。本場ブラジルのものもまだ見たことはありませんが、ブラジルの俳句界では季語として公認されているそうですね。

「ジャカランダの花」はまさしくルール違反ですが、文化人類学のフィールドワークでブラジルか、オーストラリアか、アフリカに住みついた末娘が送ってきた写真を見て、泡食った親父さんが「dakaraittajaeeka!」と妻に怒鳴ったところ、狼狽で舌がもつれていたため、妻には「jacaranda」と聞こえた、という苦しい言い逃れをしておきましょう。

ということで、初裏折端は、

点になるまで睨む風船    魚

をいただきます。名残表は予定では風魚さんが長句当番ですので、暑い中ご苦労様ですがいま1句お続けくださいませ。

鰻鱈
| 鰻鱈 | 2005/08/10 2:18 PM |
 じゃぽにすむとは島に棲む亀 魚
見渡せば隠岐の波濤の十九年  鱈
 僧帽筋のもっこりとして   魚
花の下むすめ男とジャカランダ 鱈

     付

 きっと哀しい春になるはず  魚
 元を辿れば佐保姫の裔    〃
 点になるまで睨む風船    〃


○「ジャカランダの花の下」ということになり、正花云々の問題ありそうですが、前句との付味がよいので、これは採らぬわけに参りません。

「スニオンで海を見た日の鰯雲」。スニオンに鰯雲の取り合わせが面白いです。

次の付順は代えますか。
| 風魚 | 2005/08/10 6:35 AM |
 じゃぽにすむとは島に棲む亀 魚
見渡せば隠岐の波濤の十九年  鱈
 僧帽筋のもっこりとして   魚



まつりごと落花狼藉は永田町  鱈
爛熟の夢の浮橋花吹雪     〃
花の下むすめ男とジャカランダ 〃


小西甚一が『宗祇』のなかで、山村暮鳥の「囈言」にふれていました。イメージの交響楽ということで。

…・・・姦淫林檎 障害雲雀 殺人ちゆうりつぷ 堕胎陰影 騒擾ゆき…・・・

これにならって、「騒擾僧帽筋」なんて、語呂合わせを思いつきましてね。

このところの暑さはこたえました。歳ですか。
ご自愛ください。

涼やかな1句、ありがとうございました。粗句ではありますが、お返しまでに。

スニオンで海を見た日の鰯雲     泰雄
| 鰻鱈 | 2005/08/09 10:22 AM |
兼好の欠けた茶碗に月凍る       鱈
 じゃぽにすむとは島に棲む亀     魚
見渡せば隠岐の波濤の十九年      鱈

    付

 都の春の朧なりけり         魚
 僧帽筋のもっこりとして       〃
 紅旗征戎おぼろ/\に        〃

○立秋になりました。

 秋立つや帆船陸(くが)を疎むごと  健悟

暑さはこれからです。お大事に。
| 風魚 | 2005/08/08 10:45 AM |
歌仙「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈
 奥の座敷は散らかしたまま      魚
三峡や埴生の宿は水の底        鱈
 せきこむ度に星が三つ四つ      魚
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈
 半分残すカップヌードル       魚
兼好の欠けた茶碗に月凍る       鱈
 じゃぽにすむとは島に棲む亀     魚



見渡せば隠岐の波濤の十九年      鱈
ガラパゴス首長くして進化待つ     〃
大洋を掻きまぜて得る美妃甘露     〃


●「兼好の欠け茶碗」は82段「不具なるこそよけれ」、第19段「すさまじきものにして見る人もなき月の寒けく澄める」の合成イメージで、まじに考えたものでしたが、落語風のひびきがあったとすれば、これまた愉快な話。
| 鰻鱈 | 2005/08/06 5:45 PM |
歌仙「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   同
 奥の座敷は散らかしたまま      魚
三峡や埴生の宿は水の底        鱈
 せきこむ度に星が三つ四つ      魚
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈
 半分残すカップヌードル       魚
兼好の欠けた茶碗に月凍る       鱈

   付

 考証癖の募る晩年          魚
 転石苔を生さぬ理          〃
 じゃぽにすむとは島に棲む亀     〃
 
○「兼好の欠け茶碗」とは落語にでも出て来そうな話で面白いです。

「主題の再提示があったほうが詩の構成はしまります」というのは連句では輪廻と言われている事柄ですが、詩作の原理に付き合わせる試みで、詩と連句の両方を照らす視点が得られるのかも知れませんね。
| 風魚 | 2005/08/06 6:56 AM |
暁に爆弾巻いて別れたり
 半分残すカップヌードル

遅ればせ内定届く冬の月   (鱈)
天の原月は冴えざえ船修理  (〃)
兼好の欠けた茶碗に月凍る  (〃)

月を先取りし、冬で処理いたしました。花はおねがいます。

さて、オフェリアですが、「星が三つ四つ」で思い出したのがランボオの「オフェリア」の冒頭、

Sur l’onde calme et noire ou dorment les etoiles
La blanche Ophelia flotte comme un grand lys

です。

星が眠る黒い流れ、ユリの白さをみせるオフェリアが、本編の中心イメージである、陶枕の白、髪の黒、果てしない沈潜――にぴったりで、この詩につられて最初のアイディアは「オフェリアよ今は静かに流れゆけ」。このあたりで、主題の再提示があったほうが詩の構成はしまります。イメージは三峡と大いに離れてはいますが、字句の「水気」のダブりを自粛して、「オフェリアの狂気の歌が止んだとき」と婉曲にやってみたつもりでしたが、やはり連句ではむずかしいですか。

| 鰻鱈 | 2005/08/02 6:55 PM |
 せきこむ度に星が三つ四つ      魚
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈

   付

 鳥をたのむと走り書きして      魚
 半分残すカップヌードル       〃
 通知表にはCがいっぱい       〃

○「オフェリアの狂気の歌が止んだとき(ドボン)」は「三峡の水底」とさわるかとのこと、私も「オフェリア」に「水底」は強い連想があります。

| 風魚 | 2005/07/28 10:33 AM |
せきこむ度に星が三つ四つ       魚

(付け3案)
暁に爆弾巻いて別れたり        鱈
将軍は口舌巧みにとりいって      鱈
オフェリアの狂気の歌が止んだとき   鱈

●「オフェリアの狂気の歌が止んだとき(ドボン)」は「三峡の水底」とさわりますか?
| 鰻鱈 | 2005/07/21 11:27 PM |

歌仙「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   同
 奥の座敷は散らかしたまま      魚
三峡や埴生の宿は水の底        鱈

     付

 アコーディオンを旅の伴侶に     魚
 せきこむ度に星が三つ四つ      〃
 紅衛兵の帽を鞄に          〃

○丸谷氏のそのお話は昔のことで、「何の字の飛行機雲の日和かな」を平句に詠み“僕はいっぺん平句で『かな』というやつをつかってみたいとおもっていたんですよ。年来の望みを果たして満足しました”なんていう稚気(失礼)は流石に今はお持ちではないと思います。丸谷氏にはどうせなら「おかざきや矢矧の橋のながきかな 杜国」というのもあることですし、や・かな・けりを一遍に使ってみたいくらいなクレージーなことを言って頂きたかったです。というのは冗談ですが、普通のことば・叙法で、ぐっとこわい、せつない、人生の真実に触れる連句を、というのが私の場合の好みです。鰻鱈さんの「三峡や」は切字というにはおだやかで、くちあいのや、というものですね。つまり「三峡の埴生の宿は・・」と言い換えも出来る「や」です。というわけで丸谷氏のような場合は別ですが、鰻鱈さんのはすなおにいただけます。ではよろしくお捌きください。
| 風魚 | 2005/07/21 8:51 AM |
風魚さま

ケルト起源のハロウィンは死霊、精霊、妖怪が乱舞するお祭り。神隠しにあったように主が突然部屋を散らかしたまま姿を消したという妖しい気配をいただいて、

隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈
  奥の座敷は散らかしたまま     魚

付け3案
葬式が叙勲祝いのあとを追い      鱈
九年経て髯に眼光炯炯と        〃
三峡や埴生の宿は水の底        〃

なお、「三峡や…」について少々。石川淳、丸谷才一、大岡信、安東次男『歌仙』(青土社、1981年)の「新酒の巻」で石川淳こと夷齋の発句「鳴る音にまず心澄む新酒かな」で始まった第23句に丸谷才一が「何の字の飛行機雲の日和かな」とつけ、

安東「はた迷惑な句だな、これは……これはたとえていえば、子供がお尻を拭いてもらいながら空を見上げているような句だ」
丸谷「僕はいっぺん平句で『かな』というやつをつかってみたいとおもっていたんですよ。年来の望みを果たして満足しました」

のまねをして「陶枕や」で始まったこの巻の平句に切れ字「や」を入れてみました。すると、東京と三峡ダムのある重慶・湖北省までの距離感が出て、ま、これでもいいか、という気分です。

鰻鱈
| 鰻鱈 | 2005/07/14 7:46 PM |

「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海        風魚
 睡蓮の束午後の欲動        鰻鱈
リヤカーに掘出し物の古書積みて    魚
 驢馬で供する糸杉の道        鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
 二百二十日のちぎれ雲とぶ       鱈

隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈

   付

 鎧かぶとに小面を付け        魚
 歌が戻ったカナリヤの騒       〃
 奥の座敷は散らかしたまま      〃

○今日もどんよりと梅雨曇りです。鳥たちはどこに籠もって遊んでるのかな、とふっと気になります。鳥は空を飛ぶために最小重量で生きてますが、それにくらべ人間は重たく生きることがとても好きなんだなあとつくづく思います。ばいぶるにも飛ぶ鳥を思え、野の花をみよとありましたね。もうかなり手遅れですが(^_^)。
| 風魚 | 2005/07/14 11:06 AM |
<修正>

「戸隠の猪いずれ牡丹鍋」は
「戸隠のイノシシいずれ鍋に消え」
と、修正します。
(鰻鱈)
| 鰻鱈 | 2005/07/12 8:53 PM |
「…月のけぶたげに」。この句、なんといっても「あんまり煙突が高いので」という歌ともに、総労働対総資本の対決といわれた三池争議をまず最初に連想させてくれました。という、勝手気ままな気分から「細巻きを吹かせば月のけぶたげに」をいただいて、

付け3案

驢馬で供する糸杉の道         鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
紅葉着て寝る黒いデゴイチ  鱈
(初折裏)
天高くちと肥えすぎて草競馬      鱈

驢馬で供する糸杉の道         鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
二百二十日のちぎれ雲とぶ  鱈
(初折裏)
隣の子変化であったかカボチャ切る   鱈

驢馬で供する糸杉の道         鱈
細巻きを吹かせば月のけぶたげに    魚
どっぷりつゆつけ新そばを食う     鱈
(初折裏)
戸隠の猪いずれ牡丹鍋         鱈

| 鰻鱈 | 2005/07/12 8:04 PM |

リヤカーに掘出し物の古書積みて  魚
 驢馬で供する糸杉の道      鱈

    付

口笛の揃えば月も和すならん    魚
じゃんけんで負かした月の天頂に  〃
細巻きを吹かせば月のけぶたげに  〃

“四句目はやすくかろく、趣向をこらさず”というところで「糸杉の道」を頂きました。よろしくお捌き下さい。
| 風魚 | 2005/07/12 3:11 PM |
おもわず「欲動」などという現代の神祇釈教にあたるフロイト用語を表六句で持ち出し、ちとお行儀が悪かったようです。「リヤカーに掘出し物の古書積みて」と、すんなり知識への衝動の方へふっていただき、ありがとうございました。むかし、ジャカルタでフィールドワークをやっていた頃の話です。かの地にも古本屋街があって――と言っても、路上屋台式軽便古書店の集合地でしたが――あるときそこで数冊の本を求めたことがありました。絶版になっているちょっとした資料も入っていたのですが、古本屋のおやじさんは本のタイトルさえ見ず、それらを片手に載せて、重さを量り、「はい、100円」。

ということで、第三は新刊サイン会よりも「リヤカー」をいただいて、

第4句候補、
功成り名遂げ貧乏自慢  鱈
酒手ほしさに輦台揺する 鱈
驢馬で供する糸杉の道  鱈
| 鰻鱈 | 2005/07/11 5:51 AM |
早速脇句有り難うございます。それにしても“鰻鱈”とは結構な俳号ですね。鰻は夏、鱈は冬、まさに余が風雅は夏炉冬扇のごとしと述懐した翁の言そのままと感服。あ、俳号だけで感服していてはいけません。付の方も・・。

 「陶枕や」  起首 2005.7.10

陶枕や黒髪三千尋の海      風魚
 睡蓮の束午後の欲動      鰻鱈

  付

リヤカーに掘出し物の古書積みて  魚
サイン会万年筆のなめらかに    〃

ではよろしくお捌き下さい。
| 風魚 | 2005/07/10 2:40 PM |









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